重力レンズってなーんだ
高校生でもわかるように重力レンズについて書いてみました。
重力レンズってどんな現象?
重力レンズっていうのは星や銀河などの天体が重力によって私たちには伸びて見えたり、複数あるように見えたり、輪っかのように見えたりする現象です。
って言われてもよくわかりませんよね。
ということで以下の画像を見てください。
銀河団というのは銀河の集合体のことです。
なんですけど、なんか違和感を感じませんか?
この赤で囲ってるとことか、なんかおかしくないですか?
銀河がびよーんって伸びてますよね。
これらは重力レンズによるものです。
続いてこちらの画像を見てください
アインシュタインクロス
アインシュタインリング
引用元:http://www.astronoo.com/en/articles/einstein-ring-or-cross.html
アインシュタインの名前を冠するこれらの現象も重力レンズによるものです。
まずはアインシュタインクロスについて
一つの銀河を中心にして周りに銀河が四つありますね。
この四つの銀河を繋ぐと十字架のようになることからアインシュタインクロスと呼ばれています。
この四つの銀河なんですけど実は同じ銀河が四つあるように見えてるだけなんです。
不思議ですね。
次にアインシュタインリングについて
一つの銀河を中心として周りに青い輪っかがありますよね。
輪っかなんでリング、そのままですね。
でこの輪っかなんですけど、これも実は一つの銀河がこんな風に見えてるだけなんです。
なんでこれらの現象にアインシュタインの名前がついてるかっていうと、アインシュタインが予言していたからです。
しかしアインシュタインはこの現象を実際に観測することはありませんでした。
重力レンズってなぜ起こる?
重力レンズの仕組みについて解説していきます。
まずアインシュタインの相対性理論によると、重力をもつ天体があるとその周りの時間と空間が歪みます。
これだけ頭に入れておいてください。
例えば、ある二つの天体が地球から観測してほぼ一直線に重なったとします。
すると手前側の天体の重力によって空間が歪みます。
そして奥側の天体の光がその歪みにそってすすみます。
つまり光は曲げられた進路を進むわけです。
すると私たち観測者には奥側の天体が歪められた状態、つまり弧や円を描いたり、複数に分かれて見えるわけです。
これが重力レンズのしくみです。
図で説明するとこんな感じ。
余談なんですけどグラスを使って、重力レンズと同じような現象を観測することができます。
グラスの底の部分が手前側の天体の重力と同じ働きをします。
そしてワイングラスの底の厚さが重力の大きさとなります。
外側の薄い部分が重力の弱いところで、内側の厚い部分が重力の強いところです。
紙を用意してなにかしらの目印をつけてください。
結構小さめが良いです。
そして観測者からして目印と重力源が一直線上にあるようにします。
そんでグラスをいい感じに動かすと先ほどのアインシュタインリングや、アインシュタインクロスと同じように目印がなると思います。
私の家ではワイングラスの形が微妙であまり上手くできませんでした…
なのでぜひ良い感じのワイングラスがある方は自分でやってみてください。
重力レンズを利用してできること
ここからは重力レンズを利用してできることについて書いていきます。
望遠鏡の役割
重力レンズというぐらいですから、望遠鏡と同じ働き(光の増幅)をしてくれます。
望遠鏡のレンズはでかければでかいほど遠くの天体や暗い天体を観察することができます。
銀河がレンズの役割を担うわけですから、この望遠鏡がどんなに優秀かが想像できると思います。
この重力レンズ望遠鏡を使って人類は132億8千万光年先の銀河の観測に成功しました。
とんでもない距離ですね。
この観測された銀河はビックバンで宇宙が誕生してから最初期にできた、初代の銀河の可能性があるそうです。
タイムマシンのようなこと
一度観測した現象を再び観測することができます。
そんなんもうタイムマシンやんって感じ。
なんでタイムマシンみたいなことができるかって言いますと、重力の強い弱いの分布によって空間の歪みかたが変わります。
すると天体から発せられた光が地球に到達するまでに通る道のりの長さが変わってくるので、異なるタイミングで違う場所に現れます。
このタイミングと現れる場所は計算で求めることができます。
この仕組みを利用して、一度観測した超新星爆発を狙って観測することができたそうです。
まとめ
重力レンズについて解説してみました。
現在、重力レンズは宇宙研究の分野で役立てられているらしいです。
にしてもアインシュタインは凄いやつですね。
雑なまとめで終わります。